こんにちは、すだちです。
今日は雙葉小学校徹底研究の第二回として、雙葉小学校が求めるお子様像をまとめたいと思います。そのためには雙葉小学校の設立母体、幼きイエス会の教育目標を理解しておく必要があります。
設立母体である幼きイエス会とは?
幼きイエス会は、17世紀に、ミニム会修道士ニコラ・バレ神父(1621-1686)によってフランスで創立されました。
貧富の差の激しかった当時のフランスで、貧しい家庭の子どもたちの教育は、社会の誰からも顧みられていませんでした。そのことに心を痛めたバレ神父は、彼らが神の子の尊厳にふさわしく育つのを助けるため、無料の小さな学校を始めました。その学校の女教師たちのグループが、幼きイエス会の起源です。バレ神父は、後にこう書きます。 「イエス・キリストは、『私の名のために一人の子どもを受け入れる者は、私を受け入れるのである』と言われた。また、『最も小さい、最も貧しい者の一人にしたことは、私にしたことである』とも言われた。したがって、貧しく、うち捨てられた子どもを受ける者は、まさに、イエス・キリストご自身を受けることになる。これこそ、本会の第一の、そして主要な目的である。」
それは、誓願も立てず恒久的な持ち家も持たない、全く革新的なグループでした。当時の女子修道院はすべて隠世大修道院であり、誓願を立てた修道女はその敷地の中だけで暮らすことになっていました。そこで、バレ神父は、女教師達が社会の人々の必要に応じてどこにでも出かけて行くことができるようにと、既成の修道会の形態をとらなかったのです。会員の生活を保障するものは、神の摂理だけでした。
バレ神父が始めた小さな会の活動は、やがてフランス全土に広がり、フランス革命などの歴史の波をくぐり抜けて、19世紀には国外宣教も始まりました。現在、会員の活動の場は、4大陸16か国に及びます。
(引用元:カトリック女子修道会幼きイエス会HP)
幼きイエス会の教育目標
- 神から、かけがえのないものとして生かされ、愛されている人間の神秘に気づき、神を父とするイエス・キリストにおいて兄弟である周りの人々を自分と同じように大切にする
- 独自性、相互性、自由性を大切に、本当の自分になる
- 地球社会の一員であることを自覚し、全ての人、特に苦しんでいる人、弱い人、持たない人に心をかけ、人間共同体に奉仕する
この3つの教育目標のうち、「独自性、相互性、自由性」は大切です。雙葉小学校の校訓にもあるとおり、自己と他者との関わりについてこの考え方が基礎になっているからです。
雙葉小学校の求めるお子様像
雙葉小学校のHPにも掲載されています。
雙葉小学校のこどもとして、いつも心がけていること
- 雙葉小学校のこどもは、いつもよく考え 正しいことをやりぬきます。
- 雙葉小学校のこどもは、自分のことだけ考えないで 人のためにも働きます。
- 雙葉小学校のこどもは、みんなで力を合わせ 明るく助け合います。
- 雙葉小学校のこどもは、すすんで勉強や仕事をします。
(引用:雙葉小学校HP)
書くのは簡単ですが、それぞれについて、どのようなお子様像なのかを掘り下げていきたいと思います。
いつもよく考え正しいことをやりぬきます
今からすることから逃げないことが大切です。じっくり、しっかり自分の努めを果たすことを意味しています。
自分のことだけ考えないで、人のためにも働きます
他者と比較すると、他者をみるとどうしても理不尽に思うことがあります。世の中には公平なものはありません。その上で、自分がやれば人が喜ぶことをすることが大切です。
みんなで力を合わせて明るく助け合います
自分の力が人のためになっていることを喜ぶ子どものことです。
進んで勉強や仕事をします
「進んで」の部分が大切です。主体性があるともいわれますが、心のアクセルが自ら踏むことができる子どもであることです。
ここまで読むと、雙葉小学校の求めるお子様像は「自分を大切」にし、かつ「他者との連帯感を大切」にすることができるお子様と読み取れます。
自分を大切にすること
子どもにとって、守られていると感じる体験が基本的な信頼感を生みます。そのことがあってこそ、温かい人間関係を経験することができます。
これは親の子育てに通じますが、子どもを大切にすることは甘やかすことではありません。
年齢に応じて、自立する手助けをすることで子どもは自分が大切にされていると感じることができます。
年齢に応じた自立の助けとは、子育て四訓が参考になります。子育て四訓は山口県の教育者の方がご自身の経験をまとめられた教育観で、すだちもとても共感しました。
乳児の時は肌を離さず
幼児になったら手を離さず
学校に行くようになったら目を離さず
大きくなっても心を離さず
他者を大切にすること(連帯感)
他者を大切にすることは、つまり、「一人ひとりを大切にすること」です。
それには、お互いの性格・性質を見極め、お互いを認め合うことが大切です。雙葉小学校では入学すると縦割り活動があります。その中で、学年を超えた、他者への思いやりの心を育んでいます。(参考:雙葉小学校HP トピックス)
通われている幼稚園や保育園でも、学年を超えた縦割り活動があれば、その経験をお子様と会話をし、他者を大切にする心を育むことができます。
そのために大切なことは
自分がされてうれしいことを友達にもしてあげられること
また、
ありがとう
と、素直に言えることです。
祈りのある生活
これは個人的な経験でしかありませんが、一日一回「ありがとう」を言うことで感謝のこころを持つことができます。
それは食事をするときに感謝の祈りをささげることや、キリスト教でなくても毎日ご先祖様に手を合わせることで育むことができます。
日々の生活の中に、「祈り」があるか、一度振り返ってみてください。もちろん信教は自由ですが、どの宗教にも感謝の心は共通するものではないかなと思います。