皆様こんにちは、すだちです。
今日はモンテッソーリ教育で使うおススメのおもちゃ、教具をまとめました。
モンテッソーリ教育をお子様に実践される際には、是非ご参考ください。
モンテッソーリ教育と教具の関係
モンテッソーリ教育とは、イタリア史上初めて医師免許を取得した女性として知られるマリア・モンテッソーリが、生涯を通して行ってきた教育法の実践内容を体系化したものです。

当時、マリアモンテッソーリは、ローマで精神科医として働きながら、知的障がい児の療育に取り組んでいました。
今でこそ当たり前となっていますが、その中で感覚教育法(指先を積極的に使うなどの取り組み)が知的水準を引き上げることに気づきます。
その後、経済的困難を抱る子どもの保育施設である「子どもの家」の運営を任されることになった彼女は、その施設でも同様の取り組みを行いました。その結果、子ども達の知的水準は上昇し、社会性を発達させることにも成功しました。
このことから、障がいの有無にかかわらず子どもには自ら成長していく力があり、成長に必要な環境を発達段階に合わせて用意することで、その可能性を引き出すことができると考えました。
その発達段階に合わせた環境に、モンテッソーリ教育の教具、つまりおもちゃがあります。
モンテッソーリ教具の選び方
以前の記事で紹介したように、モンテッソーリ教育には前期(0歳~3歳)、後期(4歳~6歳)に分かれています。
ここでは前期(0歳~3歳)の教具の選び方を紹介します。
まずは、前期(0歳~3歳)における、子どもの「お仕事」についておさらいします。
No. | 活動名 | 活動内容 |
1 | 粗大運動 | 粗大運動と微細運動の獲得は子どもの自立への第一歩です。粗大運動とは胴体や手足の筋肉を使った体全体を使う大きな動きを指します。ハイハイから歩行までの運動の獲得を大人は援助します。 |
2 | 微細運動 | 微細運動とは腕や手の筋肉を使用し、叩く、握る、落とすなど何かを操作する運動に繋げます。全体を使い叩くことから発達をはじめ、次第に関節を動かし指先への運動に至ります。例えば最初は物を手のひら全体で掴みますが、次に親指と何本かの指、最終的に親指と人差し指で物をつまめるようになります。そして動作を繰り返していくうちに慣れていき、大人と同じような動きになります。 |
3 | 日常生活の練習 | 体全体と指先の運動を組み合わることを目的とし、着衣脱、料理、洗濯など実生活の基づいた活動を行います。着衣脱には体を動かし着たり脱いだり、ボタンの付け外しがあるので、1つの行為の中で運動を組み合わせるために日常生活はいい練習の場となります。また、日常の生活に参加することで社会の構成員の一員として適応するようになります。 |
4 | 言語教育 | 子どもは話しことばの敏感期になると、自分の周囲で話されている言語を母語として獲得を目指します。言葉の発達段階に合わせてきめ細やかなステップを変え、豊かな語彙を養います。そうすることで会話することや話すことを促し、次の段階である書くことにつなげます。 |
5 | 感覚教育 | 感覚の敏感期を背景に感覚の洗練を促します。発達段階だけでなく興味に合わせた教具に触れたり試すことで「きれい」という美的感覚や「危ない」という危険感覚を持つようになるでしょう。また教具の使用方法は子どもの知性を養成します。 |
6 | 音楽 | 子どもは音を聴くと、自然と手を動かしたり体を揺らしたりして楽しさを表現します。無造作に楽器を鳴らすことも、音楽にリズムを乗せて体を動かし踊ることで、様々な動作を覚えていくでしょう。 |
7 | 美術 | 言葉を使用せず自分の思いを表現し、目と手の協応動作の獲得を目指します。クレヨンや色鉛筆、粘土を使い指先運動の精度を高めます。 |
それぞれの「お仕事」に対する、教具を以下に一覧化します。
No. | 活動名 | 教具 |
1 | 粗大運動 | 手押し車、ベビージム、ボールトラッカー、太鼓、ハンマートイ、 |
2 | 微細運動 | 鈴入りラトル、エックススタンド、積み木、型はめパズル、棒通し、シール張り、コンストラクションセット、レーシングビーズ |
3 | 日常生活の練習 | モンテッソーリ・モビール、ナットアンドボルト、ままごとセット、トリダスボックス、木製クロスビン、安全はさみ |
4 | 言語教育 | ー |
5 | 感覚教育 | 布のおもちゃ、鏡、トレイ付き玉入れ、バランスゲーム |
6 | 音楽 | ー |
7 | 美術 | ー |
モンテッソーリ前期 粗大活動の教具
ベビージム
もし、0歳児のお子様でベビージムをご購入されていない方がいらっしゃいましたら、すぐに購入することをおススメします。
眼で物を追うこと、手で握る練習になります。
手押し車
モンテッソーリ教育を知らなくても0歳~1歳のお子様は興味津々ですね。それもモンテッソーリ教育の科学的根拠があってのことです。
ボールトラッカー
1歳~2歳のお子様に。こちらは家にある方、ない方、結構分かれるのではないでしょうか。病院の待ち合いなどにもあったりします。
効果は2つあります。一つはつかまり立ち、もう一つは眼でボールを追うこと。眼でボールを追うことは、将来、本を読むことの練習に繋がるため0歳から意識しておくとよいです。
太鼓、木琴
こちらもモンテッソーリ教育を知らなくても定番ですね。1~2歳のお子様に。
ハンマーのおもちゃ
ハンマーでたたいて打ち込むおもちゃです。1~2歳のお子様に。
モンテッソーリ前期 微細運動の教具
鈴入りラトル
ラトルは歯固めにもなりますが、物をつかむ練習、触覚や味覚といった感覚を洗練化することを助けるおもちゃです。
エッグススタンド
こちらを持たれている方は少ないのではないでしょうか。卵をエッグスタンドにはめ込んで遊びます。片方の手をもう片方の手で移すなど両手を使う練習になります。
積み木
積み木はモンテッソーリ教育をらなくても、定番ですね。赤ちゃんみんなが遊ぶおもちゃです。積み木は眼で見て、所定の場所に置く練習、バランス感覚など集中力の向上にも役立ちます。
型はめパズル
くぼみの形に合ったブロックを探してはめこむおもちゃです。物の形や大きさ、向きを認識する能力を高めることができます。1歳~3歳のお子様に。
シール貼り
台紙からシールを剥がして貼るので、積み木よりもより高いレベルで手先の器用さ、集中力を養うことができます。シール貼りも定番ですね。1歳~3歳のお子様に。
コンストラクションセット
男の子、2歳~3歳であれば興味津々。大工さん仕事ができるセットです。指先の器用さをさらに洗練化できます。
レーシングビーズ
ビーズに紐を通して遊ぶおもちゃです。棒通しができるようになったら取り組むことをおススメします。小学校受験でも紐通しありますので、2歳から練習している、していないでは大きく差が出ます。
モンテッソーリ前期 日常生活の練習の教具
モンテッソーリ・モビール
赤ちゃんの寝かしつけと思われがちですが、追視の練習となります。2か月ごろから是非使ってみてください。追視は読み書きの読む能力に直結します。
引く、引っ張るおもちゃ
子どもは引っ張ることが大好きです。1歳ころから。引っ張ることで、動くおもちゃの関係性を理解し、こうすればこうなるという論理性を学びます。
ナットアンドボルト
ネジを回してパーツを組み立てたりして遊ぶおもちゃです。ひねる、ねじるなどを理解できます。1歳~2歳のお子様に。
ままごとセット
男の子でも女の子でも子供はままごとセットが大好きです!2歳ごろから。生活習慣の基本ですね。幼稚園受験でも小学校受験でも求められます。
トリダスボックス
型はめおもちゃは入れるだけですが、こちらは取り出すので少し難易度が高いです。様々な板を動かす必要もあり、一筋縄ではいかない場面もあります。思考力がつきます。2歳~3歳のお子様に。
安全はさみ
手先の巧緻性で、小学校受験では頻出です。3歳ころから安全はさみで巧緻性を高めましょう。
モンテッソーリ前期 感覚教育の教具
布のおもちゃ
木のおもちゃとは異なる感触を味わうことできます。ザラザラしたものや滑らかなものなど異なる素材に触れる経験をさせることで、感覚や知覚の発達に繋がります。
またカサカサした音もお子様の感受性を高めてくれます。0歳~1歳のお子様に。
鏡
鏡に映る自分の姿を見て、自分というものを認識し、目、鼻、耳、眉など普通では見えない体の部分も認識するようになります。自分が動くと鏡の中の自分も動き、体の動きと自分の感覚を一致させることが認識できるようになります。0歳~1歳のお子様に。
玉入れ
玉を上部から入れると穴に落とした玉が転がり、前に出てきます。自分の視野から玉が消えて、また玉が出てくることで、視野に入らないものがあることを認識します。こうすることで、お母さんがいなくなってもまた出てくることがわかり、ママがいなくなって泣くことが無くなります。0歳~1歳のお子様に。
バランスゲーム
バランスを保つ、平行になる、重さが違うと重い方が下がるなど、重さという概念を認識できます。また平行に保つことにより平衡感覚も認識できます。2歳~3歳のお子様に。
モンテッソーリ前期 言語教育の教具
モンテッソーリ前期(0歳~3歳)のお子様の言語教育は、とにかくお子様とお話しすることです。
また、幼稚園受験や小学校受験でも大切な「人の話を聞く」という訓練にもなる、絵本の読み聞かせは0歳からでも効果はあります。

モンテッソーリ前期 音楽・美術
モンテッソーリ前期(0歳~3歳)のお子様の音楽教育は色々な音を聞くこと、絵の具やクレヨンで色を認識することと、絵を好きに書くことです。
まとめ
一つひとつの教具には意味があります。ただ、全てを揃えることが大切ではなく、お子様が興味を持つ教具、楽しめる教具であることが大切です。
子どもの自立心を育むには、好奇心があってこそですので、お子様にあった教具、玩具が見つかれば幸いです。