今回は、小学校受験の塾・幼児教室はいつから入るのが良いのか考察します。
小学校受験において、塾や幼児教室に通わず合格することが出来るかというと、不可能ではありませんが、ほとんどの方は幼児教室や塾に通った方がよいです。
お仕事されていて時間がない、また、お子様もペーパーテスト、個別テストなど家庭学習だけではなく、協調性を見る行動観察テストや体操など幼児教室や塾に通わなければ対応ができないこともあります。
ここでは、幼児教室の入るタイミングについてお話しします。
小学校受験のカリキュラムの開始は11月
ほとんどの幼児教室では年中、年長の2年間のカリキュラムを組んでいます。
また、大手幼児教室の営業方法として、スパイラル式に繰り返し学習する方式を取っているため、いつからでも入塾ができるという説明がよくされます。
たとえば、理英会のばっちりくんドリルシリーズ。
基礎編と応用編があります。年中は基礎編、年長は応用編が大体の目安です。ですので、お話しの記憶をとっても年中向けと年長向けがあります。
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幼児の場合は、脳が未発達のため、定着するのに時間がかかる、特に年中では具体物で試してからペーパーに取り組んだ方がよいなど、手間もかかります。
そしてお子様の月齢によっても異なります。未就学児の1年の差(4月生まれと3月生まれの差)は高校1年生と3年生ほどの差と思うほどです。
年長の4月にはすでに完成しているお子様もいれば、10月ギリギリまで伸び続けるお子様もいらっしゃいます。また、お受験に間に合わないお子様もいらっしゃいますし、逆に11月の本番前に失速してスランプになるお子様もいらっしゃいます。
そのように考えると、2年間の準備があればベスト、年長11月スタートで1年間だと無理ではないが厳しいケースもあるということが言えます。
小学校受験は親の受験
様々な書籍がありますが、小学校受験は平たく言えば親の受験です。お子様の勉強も親がしっかりとお子様をコントロールしてあげる必要があります。
- 志望校、併願校を決め、情報収集する。
- 幼児教室や塾を決める。
- お子様の学習習慣を家庭で定着させる。
- 願書を書く。
- 面接をする。
- お子様の能力を年長秋にピークになるようコントロールする。
これらのことを親は進める必要がありますが、年長11月スタートだとかなりタイトにならざるを得ません。
やはり年中の11月、2年間の時間があれば余裕を持って対応することが出来ます。
もちろん経済的に余裕があれば、年少11月スタートでもよいです。
以下ではそれぞれのタイミングについて考察していきます。
新年中11月より前に入塾・入室する場合
新年中11月より前、つまり年少クラスから入塾・入室する場合です。
小学校受験だけを考えていれば、年少クラスから入塾、入室することが絶対必要かというと、そうは思いません。
ただし、幼稚園受験を視野に入れている方は1歳や2歳から入塾される方が多いです。
雙葉小学校、田園調布雙葉小学校など難関女子校を志望する場合、幼稚園受験をした上で、そこでだめでも小学校受験でリベンジするケースもあります。その場合はこの限りではありません。
新年中11月から入塾・入室する場合(2年間)
小学校受験を考えられているご家庭で最も多い時期が新年中の11月です。
各幼児教室の2年間のプログラムをしっかり学んでいくことが出来ます。
初めてのことであまり知識がなくても2年間、幼児教室や塾で情報収集ができます。
年中4月から入塾・入室する場合(1年7カ月)
初めての方で11月区切りとご存じでない方や、お子様が年中に進学する4月の前で私立小学校受験を考える方などです。案外、この時期に入塾・入室する方も多くいらっしゃいます。
新年中11月から入室・入塾された方と初めは差がありますが、すぐに追いつくことが出来るので、気にされなくてよいと思います。
そして、学校説明会が例年5~6月にあるため、年中のタイミングでも実際の学校説明会を見て学校の雰囲気を知ることが出来ます。
年中夏から入塾・入室する場合(1年4カ月)
年中の夏期講習から入塾・入室する場合です。
新年長が始まる11月まで4カ月あるため、新年中11月から始められた方に追いつくことは可能です。
実はコストパフォーマンスが高いのはこの時期ではないかとも思います。
新年長の11月から学校別クラスが始まりますが、4か月で塾や幼児教室にも慣れ、基礎を固める時間もあります。
できれば入塾前の年中4月からペーパーの家庭学習を進めているとよいです。
そして家庭で学習する習慣を付けていれば、年中夏に入塾してもスムーズに入ることが出来ます。また、体操や絵画制作のクラスにも夏頃から同時に入れば慶應幼稚舎、早実初等部クラスにも本番までにはなんとか間に合います。
一方で、学校説明会が5~6月ごろに集中しているため、すでに終わっている学校があります。その場合は年長の5~6月の学校説明会に行くしかありませんが、事前に幼児教室で情報収集するようにしてください。
新年長11月直前の入塾・入室(1年)
1年間で狙うには、慶應幼稚舎、慶應横浜初等部、早稲田実業学校初等部などの超難関校を狙うには少し厳しくなってきます。
それは絵画制作や体操などを合格レベルに持っていくのに時間がかかる、ペーパー対策もどうしても詰め込みでやらざるを得ない、願書や面接対策を同時並行で進める必要があるなど時間がありません。
それでも超難関校を目指すということであれば、家族一丸となって全てをお子様のお受験を最優先に考えて行動する決意と覚悟が必要です。
また、年長11月からは志望校別クラスが始まり、ジャック幼児教育研究所などでは人気のクラスはすでに埋まっていることが多いです。
志望校を決め、その科目に絞って、少し難しいと思っても学校別クラスを受け、同時に行動観察、絵画制作、体操のクラスを履修しましょう。
ピークは年長の秋を目指して、模試で一喜一憂しないように気を付けてください。
年長春から入塾・入室する場合(7カ月)
以前の記事で、私立小学校の偏差値一覧を掲載しています。
年長7月スタートとなると、この偏差値一覧に掲載されている私立小学校を狙うことはやや厳しいと言わざるを得ません。
学校別クラスが11月から始まり、過去問題集をゴールデンウイークあたりから解き始める必要があるからです。そして願書対策の講座も終了しています。
大手幼児教室よりは個人の幼児教室の先生に相談されるとよいと思います。
人気校はもちろん良い学校ですが、学校それぞれに良さはあります。いちどご家族で話し合われるとよいと思います。